ソフトウェアの価格は、主に、開発コスト、機能、ライセンス費用、保守とサポート費用などによって決まります。特に、すべてをゼロから作り上げるフルスクラッチのソフトウェア開発では、その会社でしか使われない一品物であるがゆえに、開発コスト、保守とサポート費用が高額になります。その一方で、必要な独自の機能に特化するため、ソフトウェア開発によって、ビジネスの独自性と競争力を確保することができます。
このようなソフトウェアの価格は、ITベンダーによって握られているといってもいいでしょう。ソフトウェア開発は、通常、アウトソースによって開発されることになるため、ITベンダーの出す見積り次第でソフトウェアの価格が決まります。
人月単価は、ITベンダー毎に異なっているため、A社では5千万円、B社では1億円といったように、大きな差がでることも珍しいことではありません。保有するスキルにもばらつきがあり、高額だからと言って品質がいいとも限らないのです。
高額である理由は、下請分業構造の階層の深さにあると言えます。1次請け、2次請け、3次請け・・・といったように、多くの下請けへの発注を前提とする場合、各々の利益が上乗せされるため、高額になるのです。
一方で、このようにせざるを得ない理由には、IT人材の希少性があり、ユーザが直接、エンジニアを調達することが非常に難しい点があります。また、マネジメント力の不足、責任負担の回避などの理由もあります。
■ まとめ
「ソフトウェア開発は、不動産を買うようなもの」
ソフトウェア開発はどんなに安くても、数百万~かかります。高額ですが、リスクも多い、ハイリスクな投資と言えます。リターンとして効果が確約できるかというと、決してそうではなく、やってみないとわからないという側面も多分にあるのが現実です。そのため、好業績の企業で、余裕資金がある場合に振り向けられる投資が、ソフトウェア開発です。