<DFD(Data Flow Diagram)>

データフローを可視化するための図です。データフロー (Data Flow)とは、データが組織や人、システムやシステム間でどのように移動するかを示すものです。

機能的な側面に焦点を当て、どのようにデータが変換されるか、どこに保存されるか、どのように流れるかを示します。

■ DFDの構成要素

データの源(外部エンティティ)、データが流れるプロセス、データが保存されるデータストア、およびデータの移動を示す矢印で構成されます。DFDを描くための構成要素を以下に示します。

①エンティティ (Entity)
システムの外部からデータを提供したり、システムからデータを受け取ったりするもの。通常、四角で表される。

②プロセス (Process)
データの変換や処理を行うもの。通常、円または楕円で表される。

③データストア (Data Store)
データを一時的または恒常的に保存する場所。二重の線で示される長方形で表される。

④データフロー (Data Flow)
データが移動する経路。矢印で表される。


■ DFDの例

DFDの例として、書籍の販売業務を示します。

エンティティ:
顧客
クレジットカード会社

プロセス:
注文受付
支払い処理

データストア:
顧客情報
注文履歴

1.顧客から注文受付への選択した書籍を送信
2.注文受付は顧客情報から顧客情報を取得
3.注文受付からクレジットカード会社への支払い要求を送信
4.クレジット会社は、顧客情報から支払い履歴を検索し、支払い履歴を取得
5.クレジットカード会社から注文受付への承認/拒否を送信
6.注文受付は、注文履歴へ注文履歴をデータの保存
7.顧客は支払い情報を受信

■ まとめ

「DFDは、データに着目した業務フローである」

業務フローは、組織や人、システムやソフトウェアの処理の流れを明確にするものでした。漏れなくデータを洗い出して、データ構造を明確にするためには、業務フロー中のデータフローを明らかにするため、DFDへと展開する必要があります。

DFDでも、業務フローのような処理の流れを表現することができます。ただし、組織や人、システムやソフトウェアが、エンティティとしてしか描かれないため、どこで処理が行われるのかわかりにくいというデメリットがあります。逆に言えば、かかわる組織や人、システムやソフトウェアの範囲は限定される場合には、処理される具体的なデータがわかるDFDを使ったほうが効率的です。

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