『プロジェクトの成功と失敗の境界線』

プロジェクトの成功と失敗の境界線とは、設定された目標(品質、コスト、納期)や成果物(提供できる価値など)を達成できることかどうかです。

これをもって、プロジェクトに関わる全てのステークホルダー(顧客、チームメンバー、投資家など)の期待にこたえられたかが鍵となります。

そのために必要となるのは、リスク管理です。問題を予期して対処したか、または、予期しない問題へうまく対処できたかが、プロジェクトの成功を左右します。

ITプロジェクトにおいては、以下のような特有のリスクがあります。

・技術的難易度
高度な技術的要求を伴うため、事前調査(フィージビリティスタディ)により、事前に実行可能性を十分確保すること

・性能
予定した性能を達成できること

・信頼性
問題なく稼働すること(バグの発生は、多いか少ないかにかかわらず、プロジェクトの失敗と見なされる)

・データのセキュリティ
データ保護とセキュリティ対策が適切に施されていること

・開発方法の選択
アジャイル、ウォーターフォールなど、選択されたプロジェクト管理の方法論がプロジェクトの性質に適していること

・ユーザーに受け入れ
新しいシステムやソフトウェアがスムーズに最終的なユーザーによって受け入れられること

これらのリスクは、プロジェクトを実施する過程で、継続して対処していかないと、やがて顕在化することになります。失敗の理由は、みなわかっているはずのリスクから目を背けずに、直視し続け、日々、少しでもカイゼンする
ことが、最終的な成功へと結集されます。

■ まとめ

「プロジェクトの成功は、現場の問題解決力にある」

ソフトウェア開発のオンサイト(現場)では、想定外のイベントが頻繁に発生します。たとえば、その多くは、プロジェクトに参画する人たちの思い違い、認識漏れ、実装とのギャップなどによるものです。

このようなことは、緻密にマイクロマネジメントを実行したところで効果はありません。
その場で即断即決し、対処できるスピードを生み出す自律的な行動をとる必要があります。これは、自己組織化し、自走できることが前提とされるアジャイルの行動様式と同じです。

たとえ、開発方法がウォータフォールであっても、現場はアジャイルであることを理解し、そのためにリーダシップを発揮しなければなりません。

人柱としてのリーダ人材では、マイクロマネジメントを深堀することだけに終始し、現場を硬直化させます。実際は、リーダ人材の問題解決能力の差が、プロジェクトの成否を分けることになるのです。

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