<原価管理>

原価管理は、ソフトウェア開発プロジェクトにおける費用とリソースの効率的な管理、監視、および最適化に関する詳細なプロセスです。

ソフトウェアプロジェクトの計画段階で、プロジェクトに必要な資金を予測し、予算を設定します。予算は、プロジェクト全体や個別のタスクに必要な人件費、ハードウェア、ソフトウェアの購入に関連する費用を含みます。予算設定は、プロジェクトの範囲や目標に基づいて行われます。

原価の見積もりは、プロジェクトが成功するために必要な資金を詳細に計算し、プロジェクトの予算設定とコスト管理の基盤となるプロセスです。主な見積もりすべき項目は、以下が含まれます。

・人件費(工数)
開発者、テスター、プロジェクトマネージャーなどの人件費を計算します。これには給与、ボーナス、給与の増減、福利厚生費用などが含まれます。

・ハードウェアおよびソフトウェア
プロジェクトに必要なハードウェアやソフトウェアの購入、ライセンス、サポート費用を考慮します。
外部リソース: サードパーティのベンダーやコンサルタントからのサービスや製品のコストを評価します。

・設備費用
オフィススペース、電力、通信設備、テスト環境などの設備費用を見積もります。

・トレーニングコスト
チームメンバーやユーザー向けのトレーニングにかかる費用を計算します。

これらのコストは、プロジェクトの規模、複雑性、リソース、スケジュール、技術要件などの要因に依存します。

ソフトウェア開発の工数を見る代表的な見積手法を以下に示します。

・ボトムアップ
この方法では、プロジェクトの各タスクやサブタスクの詳細な見積もりを行います。各タスクの工数を詳細に記述し、それらを合算してプロジェクト全体の工数を計算します。この方法は詳細な情報を提供しますが、時間と労力がかかります。

・ファンクション ポイント
この方法は、ソフトウェアの機能と複雑性に基づいて見積もりを行います。アプリケーションの機能ポイント(ファンクション ポイント)を数え、それに対応する開発労力や時間を見積もります。
問題は、どうやって、ファンクションポイントから工数に変換するかです。過去のプロジェクトのデータなどがあればいいですが、実際、このようなデータを蓄積しているような会社はありません。

工数を見積もるには、難しい方程式は要りませんが、経験と勘が必要になります。
そのため、主に以下のような方法をとります。

・専門家の判断
ソフトウェア開発の経験豊富な専門家や開発チームの意見や経験に基づいて見積もりを行う方法です。これは迅速な見積もりが必要な場合に役立ちますが、専門家の主観的な評価に依存するため、精度が異なることがあります。

・類似プロジェクトの比較
過去の類似したプロジェクトのデータを参考にして、新しいプロジェクトの見積もりを行う方法です。これにはベンチマークやヒストリカルデータの活用が含まれます。


ソフトウェアの見積もりは、プロジェクトの成功と予算管理に重要な役割を果たしますが、常に正確であることは難しい場合があります。このような場合、見積もりはプロジェクトの進行に従って実施すべきタスクが明確化された後で、再見積もりを行い調整されることが求められます。

■ まとめ

「与えられた予算を、必要な時に、タイミングよく、すべて使え」

ソフトウェアの見積りは、正確な予算設定やプロジェクトの成功に不可欠ですが、ソフトウェア開発プロセスが複雑で変化しやすいことから、完璧な見積りを行うことは難しいこともあります。

ソフトウェアにおいて、お金を使うこと≒人を使うこと、です。
単なる作業コストだけではなく、想定外の問題解決対応のコストを支払うリスクがあることを念頭に入れておく必要があります。

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