外部委託(アウトソース)とは、ITベンダーへ開発業務を発注することです。
その際に締結する契約には、いくつかの重要な要素が含まれます。
・サービスの範囲
委託するサービスやプロジェクトの具体的な内容と範囲を明確に定義します
・期間と納期
契約の有効期間、プロジェクトの開始日と終了日、納期やマイルストーンの設定が重要です
・費用と支払い条件
サービスの対価、支払い方法、支払いスケジュールを定めます
・品質保証と遵守事項
サービスや製品の品質基準、遵守すべき法規制や業界基準について定義します
・知的財産権
契約の結果として生じる知的財産の所有権と使用権に関する規定
・機密保持
ビジネス上の機密情報の取り扱いに関する条項
・責任と保証
違反や契約不履行に対する責任、保証、賠償範囲などを明記します
・解約条件
契約を解除する条件や手続き。紛争解決:契約に関する紛争が発生した場合の解決方法
この中で、知的財産権については、特に、ソースコードの著作権やプログラムの使用権について、気をつける必要があります。一般的に、なにも記載がなければ、受託者が著作権を保有し、プログラムの使用許諾についても対価が必要となります。
そのため、契約に、ソースコードの著作権やプログラムの使用権を委託者へ譲渡する旨の記載を明記し、受託者であるITベンダーに許諾してもらう必要があります。
契約の種類に、主に次の2つがあります。
・請負契約
受託者が委託者から特定の結果の達成を依頼される契約形式です。ここでの重要な点は、受託者が一定の「結果」を達成することが求められることです。ただし、作業の方法については、受託者に一定の自由があります。委託者は、プロセスではなく結果に焦点を当てます
・委任契約
受託者は委託者から特定の業務を委ねられ、その業務を「遂行」することが求められます。ポイントは、業務の遂行プロセスに焦点を当てることです。受託者は、委託された業務を適切に遂行することに責任を持ちますが、具体的な結果を保証するものではありません。また、プロセスについても、指示やガイドラインを提供する必要があります
これらは、委託する業務の性質、求められる結果、管理のレベル、リスク分配など、多くの要因を考慮して行う必要があります。
■ まとめ
「外部委託の成否が、プロジェクトの成否を左右する」
IT業界の下請分業構造によって、ソフトウェア開発はアウトソースが前提とされます。そのため、外部委託がうまくいくかどうかが、プロジェクトの成否に大きな影響を与えます。